映画「臍帯」(サイタイ)オフィシャルサイト

コメント

 

FILM BUSINESS ASIA(中国) Review by Derek Elley

« With its measured close-ups of faces, minimalist plot and style, and long-held tableaux, Birthright is a major stylistic gamble by Hashimoto that largely comes off — especially thanks to Yanagida Hiroo’s (柳田裕男) HD-sourced photography of the dim warehouse interior, which often pushes visibility to its limits. »

「計算されたクローズアップ、ミニマリストな構成とスタイル、永続的な絵画的描写、『臍帯』は橋本による、文体の冒険である。その大半は、薄暗い光の倉庫内で、しばし鮮明度の限界にまで迫った柳田裕男のHD映像の産物である。」

 

ファンタジア国際映画祭 プレス

“Fantasia has always been at the forefront of new Asian cinematic talent,” says Nicolas Archambault, co-director of the Asian section, “and Naoki Hashimoto is definitely one of those. With ‘BIRTHRIGHT’, he has already proven himself to be a filmmaker to look out for, promising to climb up among the ranks of the best. His film is simultaneously corrosive and calm; his visual composition proof that the language Naoki Hashimoto speaks is that of the cinema”.

「ファンタジアは常にアジア映画界の新たな才能の最前線に触れてきた。」と、アジア部門共同プロデューサーNicolas Archambault。「そして、橋本直樹は間違いなくその才能の一人である。『臍帯』で彼はすでにトップレベルへと駆け上がることを約束し、今後注目すべき映画監督であることを裏付けた。彼の映画は荒々しさと静けさが混在し、彼の構図が、橋本直樹の操る言語は映画言語であることを証明している。」

 

The hollywood reporter By Maggie Lee

Immaculately shot with expressive music and long, mesmeric silences, Japanese director Naoki Hashimoto’s Birthright is more like a melancholy song or tone poem until it erupts into an unpredictable, shattering finale.

「表現力豊かな音楽と長く、抗しがたい無音の完璧なショット。日本人監督橋本直樹の『臍帯』は、衝撃的な驚きの結末を迎えるまでは哀愁歌あるいは音詩といえるだろう。」

 

ヴェンチュラ映画祭2011 By Travis Crawford 

One of the strongest Japanese horror films in recent memory, Birthright is also one of the strangest. Neither a Ring-styled supernatural creep-out nor a campy, sophomoric gorefest, writer-director Hashimoto Naoki’s feature debut is a rigorous, minimalist psychological thriller with a coldly clinical, precise approach that makes this dysfunctional family nightmare seem more like a Michael Haneke film than a Hideo Nakata genre movie.

「昨今の日本のホラー映画の中で最も記憶に残る作品のひとつ『臍帯』は、最も風変わりな一作でもある。超常的な『リング』スタイルでもなく、よくあるホラー映画でもない橋本直樹監督(脚本)の初長編映画は家族崩壊の悪夢を冷淡緻密に描いたミニマリストなサイコ・スリラーである。中田秀夫のジャンルより、むしろミヒャエル・ハネケに近い作品。」

Birthright excels in its stark portrayal of emotional agony (the cinematography is as dark as dark gets, and the soundtrack is as quiet as imaginable). The fact that Birthright contains little on-screen violence doesn’t prevent it from building to a shocking and even heartbreaking climax. (Japanese with English subtitles)

『臍帯』は精神的な激しい苦痛の純然たる描写に秀でた作品である。(暗い撮影で闇を創り出し、静寂の音響は想像の余地を広げる。)
『臍帯』はスクリーンに映し出される暴力シーンは希有だが、衝撃的で悲痛ともいえるクライマックスを見事に構築している。

 

14th Tallinn Black Nights film festival By Sten Saluveer

Synopsis
the minimalist and poetic camerawork, and silence based sound design, Hashimoto creates a grasping contrast between enjoyable visuality and the shocking reality lurking behind the polished facade.

「ミニマリストでポエティックなカメラワーク、そして静寂をベースにした音響構成。洗練された見映えの裏に、橋本は麗しい外見と、そこに潜んでいる衝撃的な現実のコントラストを創りだした。」

Birthright , mediating on the worldwide issue of child abandonment, is therefore shockingly beautiful, but painful knock on the conscience reminding the responsibilities that come with the right of giving life to a child.

「『臍帯』は、全世界の問題である捨て子について考えさせ、それは驚くほど美しい。しかし、子供を授かる権利また、その責任を呼び覚まし、善悪の観念を強く揺さぶる作品である。」

 

上海日報

The jury chose “Birth Right” because “the film’s rigorous and uncompromising style, and refreshingly new slant on genre conventions, convinced the jury the filmmaker has a vibrant future.”

「審査員は『臍帯』を選んだ理由について、『映画の妥協のない厳格なスタイル、そして、ジャンルという枠に対する斬新な切り口、審査員は監督の輝かしい未来を確信した。』

 

『Abus de ciné By François Rey

「優れたエンターテイメントを創らない。映画は映画館で始まって、映画館で終わるものだと思っています。」
第13回ドーヴィルアジア映画祭での上映前に橋本直樹はこう話した。
冒頭から、観客は監督のその言葉がスクリーンを通して伝わる、妥協のない映画を期待した。
結果は、期待通りであった。

孤児と彼らの家族願望という普遍的な題材から、橋本直樹は監督として(TV/映画プロデューサーとしてすでに活躍)の第1作目に「ジャンル映画」、「監禁映画」へと舵を取った。
微動だもせず、木々に隠れ、平凡な家族の日常を窓越しに観察するミカを映し出した冒頭の数カットから、観客はすでに橋本が敷かれたレールには乗らず、個人的な作品を見せてくれることに気づく。
これらのカットはマイケル・マンの『刑事グラハム/凍りついた欲望』を思い起こさせ、(マンのような80年代の派手さはないが) 冒頭から、何か重大なことが起こることを告げる。
しかし、ここでもハネケの『ファニー・ゲーム』のように(もちろん、悪くはないが)過激な暴力やセンセーショナルな方向に走る他の作品とは違い、『臍帯』は徐々に追い込まれていく心理的な苦痛を描いた緊張感ある作品だ。自然に死を迎えるまで放置する十分な時間がある場合、捕らえた者をゴルフクラブで殴殺する必要はない。
というのも、橋本はジャンルという概念同様、グラフィカルな暴力に関心はないからだ。

長回しとシンプルな編集(単純ということではない)に基づいた効果的な映画表現。
橋本は僅かなミスしか犯さない。数箇所、カットの繋ぎに違和感を覚えるが、それもミリ単位の空間の操作と画面構成の質の高さによって十分カバーされ、取るに足らない詳細である。
主人公の二人を演じた美しく才能溢れる女優らの的確さは多くの観客を揺さぶるだろう。
見事なシーンで(監禁する側とされる側両者の出会いのシーンと感動のクライマックス) 監禁は、前者の落ち着いた演技と後者の恐怖に直面する抑制された演技が要となる。 (「まだ、演じ過ぎているように思う。」と橋本。)

復讐の話あるいは失われた愛の探求。観客一人ひとりが自由に解釈し、好きなように受け取る。
監督は作品を観客に委ねたのだ。
これほどまでに妥協を拒み、献身的な姿勢を見ることは珍しい今の時代だからこそ、この第一作品目が橋本直樹の次の作品へと繋がることを願って止まない。
「20%の人にしか受け入れられない映画だと思います。」
確かなことは、私達はそこに入るということだ。

 

  •  2012/6/1
  •  Posted by at 1:06 PM
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